おねえちゃんにモテたいから

シャワーを浴びて西荻窪へ。
20時からはじまる嘉山陽一氏のソロライブに行く。
会場は上に貼ってある写真のところ。
彼は"GRAND MOTHER FUCKER"なるバンドで活動している、東京アンダーグラウンド音楽シーンのドンである。
ソロで、しかもアコースティックギターでのライブは29年ぶりだとか。あなたは「キル・ビル」の服部半蔵ですか?


まずは共演のキンチン http://www14.plala.or.jp/inu789/index.html の三味線弾き語りを聴く。政治的メッセージの色濃い歌詞が、歪んだ音色の三味線で弾きだされるロックンロール調のフレーズにのせられて歌われていく様はなかなかおもしろかった。嘉山さんの学生時代からの友だちだとか。


そして嘉山さんの出番。12弦ギターを用い、井上陽水泉谷しげる加川良加藤和彦などのカバーと自作曲とをおりまぜて歌い上げていく。GMFでは絶叫が多いが、結構マジに歌っていた。おまけになかなかうまい。彼の音楽的な背景もうかがえる興味深い内容だった。
会場が住宅地のなかにあるバーカウンターのある古着屋なので、防音設備などはない。どこかのバカがうるさいとチクったようで、演奏中に警察がきた。まったく。


演奏終了後はそのままその場で飲み会に。客のなかにはおれの旧友も多く、おたがい顔を見るのも久しぶりというやつも多かった。小谷とか小谷とか小谷とか。
井上は本当におれのことが嫌いらしく、こちらが声をかけても生返事しかせず、ほとんど口をきかなかった。


嘉山さんに例の12弦ギターをプレゼントしたというドラッグマスターの東井さんを紹介されて、ハーブについて熱く語る。
テール・スープ/ブッチャー&ボンドヅ/3D-EYE/JON & パンチとさまざまなバンドで活動している寒川さんに、「むかしのおれって楽屋とかで偉そうだったでしょ? いつも自分のバンドが一番だとおもってたからさ」と尋ねてみたら「そんなことないですよー。みなさん優しかったって印象があります」と返された。ほかのメンバーはどうだったか知らないが、少なくともおれは偉そうだったとおもうけれどなあ。ちゃんと礼儀正しく挨拶はしてたけれど、全然愛想ないし。
その後酔っ払って寒川さんをなかば口説いているような感じになってきたので自制。


お開きとなって、おれは嘉山さんのところに泊めてもらうことに。嘉山さんとおれとホリくんと寒川さんとその彼氏(コジマくんってそうだよね?)とで中央線のなかで、雑談なのか歌っているのかわからないような感じでがやがやと周囲の乗客のみなさまに大迷惑をおかけしながら帰る。


嘉山さんの部屋で飲み直し。演奏後にも言ったことだが「頭脳警察の『さようなら世界夫人よ』演ればよかったのに」というおれの発言に「あー、見透かされちゃったな」と嘉山さんは笑って答えて「時間があったら演ろうとおもって用意してあったんだよ」とセットリストを見せてくれた。
少し嬉しかった。
適当なころ合いで眠る。


おれが一番先に起き、そのあと嘉山さんが起きた。ホリくんはまだ寝ていた。
彼をほったらかしにしてふたりで部屋を出て、一緒に朝飯を食って別れた。
まだ酒は抜けていない。
おれは馬鹿者だとおもう。