そういう変化の過程こそ殴り書きして残すべきか。

受付終了の文字を受付と書いてある場所で見た。なんと不条理な。いや、理不尽というべきか。
カウンターにいた人間のようなものに話しかけてみると、受付は11時半で終了しておりますと日本語のようなもので言われた。時計を見ると11時44分だった。「自分は火曜日こちらを退院しまして、そのとき土曜日の午前中にくるように言われたんですが」と日本語のようなもので告げると、人間のようなものはなにやら書類整理をはじめた。そしておれにクリアケースを渡し待つように日本語のようなもので指示した。予約が入っていても時間は守ってくださいと日本語のようなもので指示した。
12時半をまわっておれの名前が日本語のようなもので呼ばれたような気がしたので、その声が指示するとおりに3番の診察室に入った。入院中におれの担当であったとおもわれる医師と同じような顔をした医師のような姿をした人物がいた。
耳鼻科でどういうことを言われたかきかれた。顔面神経麻痺の状態が改善しなかったら手術を行う用意もあると言われたと言ってみた。耳鼻科的にね、と問い質されたので、はいと答えた。それならそれは△△病院にお任せしますから、MRIの画像は渡しませんでしたっけ、ときかれたので渡されていませんと答えた。渡したつもりでしたと言われた。彼は医療用PHSでどこかに電話をし、おれの名前を出して、至急フィルムを焼いて欲しいと頼んだ。
彼はPHSを切り、顔の状態を見てあれこれと言った。やっぱ目だな、口はいーってできるしよくなってきているけど、目はまだもう少しかかるかも知れない、でも大分よくなってきている、その他いろいろなことを言ったが、いずれも何度もきいたことがあるような気がした。「そうですかね? なんか髭剃ってみたら鼻が曲がってきたような気がするんですが」と言ってみたら、それはない、はじめてきたときは顔が右へ引っ張られていたけど、と否定された。
彼は薬の確認をはじめた。プレドニン60mgを45mgにしたけど、きょうから30mgにするから。はい。薬が切れるのにあわせて退院後の外来診察の段取りを決めたはずなので、きょうから、正確に言うときょうの昼食後から、薬は新しく出されたものになる。別に問題はない。おれは入院中にこの薬についてなんの説明も受けなかったので、退院後に自分で調べてみてはじめてステロイドであると知った。知らされていないまま服用を続け、それが漸減の方向にあることだけ入院中説明され、きょうこうして減らすことを宣言されても正直なところピンとこないおれが、どこかおかしいのかも知れない。
そして、診察のようなものは終わったようだった。会計をすませ、薬局へ行く。
受付にいた女性に処方箋を渡してしばらく待つと、薬剤師とおぼしき女性が調剤室から出てきておれの名前を呼んだ。そして薬について説明をはじめたのだが、彼女は途中でおれに質問をした。
「あの、プレドニンは目で出されてるんですか?」
おれは笑いながら答えた。
「さあ。多分脳じゃないですかねえ? 説明受けてないんでわからないんです」
彼女は黙ってしまい、直後に「そうですか」と答えた。
薬局で薬を受けとって会計をすませ、また病院に戻った。受付にいた女の子に自分の名前を告げ、MRIの画像をもらうことになっているのだができ上がっているかどうか尋ねた。「すぐ確認いたします」と彼女は返事した。座って待つことにした。
彼女は方々に電話をかけ、その都度いろいろなことをまるで報告するがごとくおれに言った。何本目かの報告のときに「いまつくってますので、お時間ありますでしょうか?」とか、面妖な条件節のようなものがついた疑問文のようなものを音声で伝えられ、とりあえず「はい」と言った。
やがて画像が届き、おれはそれを手渡された。そのとき彼女は言った。
「あの、紹介状はあるんでしょうか?」
おれは笑いながら答えた。
「紹介状は、退院のときに△△病院宛のをもらいましたんで。おととい外来に行ったんで渡ってますよ」
彼女は「そうですか」と答えた。おれは病院をあとにした。
気が重い。

  • 相方の言葉が染みわたります

帰宅後食事しながらテレビを見るが「なんでさーやの婚約発表やらないんだろ」と訝った。まあ放っておいた。
そのあとのニュースで高松宮妃喜久子さま死去を知った。
ちょっといまの状態まずいかもといろいろおもう。ゆうべ相方に言われた「××転べばドンキが燃える」には承服しかねるが、ナニがナニなので××も転ぶだろしドンキも燃えるだろうということはおそらく間違いない。鎮めるべきものを鎮めないと連鎖は続いてしまってまずいのである。
ゆうべ酔っ払っていた友だちは(もちろんいつまでも酔っ払っているはずもなく)なにやら仕上げなきゃならないものがあるとメールをくれた。とはいえ外食して、そこで3時間寝たとか、ずいぶんとのんびりしたことを言っていたが。
他愛もないメールが愛に満ちあふれていたりとか。おかげさまで生きていけます。