岩崎さんのこと

厄落としと営業をかねて大阪・奈良に行く予定を組んでいた。15日金曜日の夜に発つ予定だったがその日の朝に相棒から電話をもらい、岩崎さんの訃報に接した。14日深夜にオートバイ事故で亡くなられたらしい。
もう、どうしていいのかわからなくなった。なかばパニック状態で泣きながら大阪のボスに電話したが、彼はこの件を知らなかったようで、こんなおれからの無茶苦茶な電話が最初の報告となってしまった。
1日かけて事実関係の整理や情報収集にくれて、ようやくその後相棒と連絡がついたのは「これからお通夜」というときになってからだった。さらに彼から土曜日の葬儀の段取りをきいてぼんやりと準備をしはじめ、この晩発つ予定だったのをとりやめ、土曜日の朝に新幹線で大阪へむかった。
とにかく真面目な人だった。彼と接しているときのおれの話し方がわるかったのかも知れないが、冗談を冗談と受けとめないほどの生真面目さが感じられた。むかし話に想い出を咲かせているとき「おれってなにせ天才ギタリストだからさあ。あのころは時期が早すぎてダメだったんだよね」などと冗談めかして言ったとき、岩崎さんは「いや、ほんまに上手やとおもいますよ」と真剣に答えてくれた。
みずからの主張を曲げることなく、世におもねることもなく、自分が言いたいことを率直に言ってのける貴重な人物を失ったことが、まったくもって残念でならない。
半年経ってもまだこのくらいしか書けない。
ご冥福を切にお祈り申し上げます。