「で、結局おれはなにをすればいいんですか?」

そろそろ本格的に忙しくなってきた。まあ予定どおりだ。
この先2か月ほどかかるプロジェクトのため、先週の月曜日から一応おれの直属の部下としてアルバイトが勤務しはじめた。早稲田の大学生で爽やかなイケメンである。一時的な補助とはいえなぜ未経験者の学生アルバイトなのか、とか、それでやれる程度の質の仕事をしているのか、とか、そもそもあなたの仕事はなんなのか、とか、うすら面倒くさい質問には答えるつもりはないのであしからず。
隣の席の同僚には、部下ではなくて上司がついた。弊社のOGで、例年この時期になるとやってきては、このプロジェクトを担当することになっているらしい。御社では後進を育成しようとしていないのか、とか、うすら以下略。
しかしまあこのOGとやらがあつかいにくい曲者で、一言で表現すれば、ウザい。つねに落ち着きがなくせっかちで、なにやら自分ひとりで勝手に焦っている。他人の話はまともにきかず、他人にものごとをまともに伝えられない。まあどこの職場にでも一人ぐらいはいそうなタイプではあるが、「他人にものごとを伝えられない」という点は、1年のうち期間限定で勤務し、部下を従えてプロジェクトを遂行するということにおいては致命的な欠陥であると言わざるを得ないだろう。仕事の進行についてあれこれと説明しているのを横できいていてもまったく要領を得ていないので、そばにいるおれが苛立ってくる。おまけに声が甲高く大変耳障りだ。
もちろんおれが気分を害する必要はないのであって、問題は同僚がどのようにうまく彼女とつきあって仕事を進めていくかである。しかし、彼女がひとくさり説明をしたあとに彼が発したのが表題の台詞なのだから、やはりこれは憂慮すべき問題であるとおもう。
なんつって。実は彼の発言を受けて、おれは大爆笑しました。彼とっても素敵。

ともあれ、指示を明確に出さない上司のもとで働くのは大変不幸なことである。少なくともおれは、イケメンの学生アルバイトには上意下達を徹底し、くみとるべきことはくみとり、円滑に仕事を進めていきたいとおもう。
こういう英単語がある。
http://dic.yahoo.co.jp/bin/dsearch?p=hedge&stype=1&dtype=1&dname=1na
曖昧な言葉で指示など出されたら、人はそれによって身動きがとれなくなるのである。そしてそれこそ、責任をとらない上司がよく使う詐術なのだ。保険をかけたくせに失敗し、その尻拭いを部下にさせるための偽計である。

おれは日常会話において、曖昧な表現を必要以上に多用する。