自分の芸風を確認してみる。その2

NHKで「トップランナー」のスペシャルを見る。ウルフルズ布袋寅泰が出演。
それぞれすごいなあと感慨一入である。
おもい起こせば布袋は2002年5月に頭蓋骨骨折の怪我をしている。否応なしに奇妙な因縁を感じざるを得ない。ああそうですか、関係妄想ですか。そうとらえられるならまあいいわ。
当時おれは塾講師などやっていて、授業のときに生徒の前でネタにしたものだ。あれだけ図体がデカいと、一度転んだぐらいじゃ折れてることに気づかないのかなあ、と。
布袋の音楽観とおれの音楽観は、こうしてあらためて話をきくまでもなくわかっていたことであるが、まったく違う。彼のほうが少し活動歴も長いがほぼ同年代であり、それゆえの同時代性は強く感じるが、彼が歩んできたキャリアはおれとはずいぶんと質が異なるものだ。どのようにギターをあつかうのかといった姿勢も当然違う。話をきいているなかで異議を唱えたくなることもしばしばであったのだが、もちろんそれでよいのであり、そのキャリアについて彼がみずから語るその語り口はおもしろかった。
ウルフルズは、素直にいいバンドだなとおもう。やっぱり「バンド」である。「バカサバイバー」とは、いまの時世だからこそのメッセージなんだろうなあとしみじみ感じた。だってバカで生存者なんだもの。大いなる生の讃歌として、とても力強い。おれもある意味「バカサバイバー」なのだろう。ああそうですか、これも関係妄想ですか。でもいいのですよ。彼らとは違うおれがいて、そのおれは彼らとは異なる音楽的試みをもう20年もやってきているのだ。
と、自分ひとりで納得することしきりの夜半であった。
あっそ。