ブログについて少し真面目気味にかんがえてみた。

1月4日からしばらくブログの更新が止まっていた。まあ書けない日にはそれなりに理由があるものである。
そしてこの日、1月9日から、さながら小学生が夏休みの宿題を慌ててやっつけるかのごとく、せっせと書きはじめている。
ところで更新が止まっていたあいだにも不思議とカウンタはまわっているもので、これはいったいどうしたものかとかんがえてみた。編集画面でリンク元を見ると大変なことになっている。信じられないようなところからこのブログへきている人がたくさんいるのである。たとえばグーグルからなど、およそあり得ないような語(語群)での検索結果でここへきている。ブログ専門検索サイトからきている人も多いが、やはりものすごく風変わりな語(語群)での検索結果がリンク元になっている。
一部のリンク元を列挙してみよう(直接は飛べないようにしましたので、お好きな方はまあコピペでどうぞ(笑))。

http://www.google.co.jp/search?q=チンポ比べ&num=100&hl=ja&as_qdr=all
http://search.yahoo.co.jp/bin/query?p=クライネ・レヴィン症候群&hc=0&hs=0
http://blog.goo.ne.jp/search/search.php?MT=リエゾン精神医学&status=select&from=bsearch
http://search.yahoo.co.jp/bin/query?p=顔面神経麻痺&fr=top&hc=0&hs=6&&b=311&h=dp&pnum=17
http://www.google.co.jp/search?hl=ja&q=ジャック・アタリ ノイズ&lr=

一番上の方は、いったいグーグルでこんなことを検索してどうしようとしていたのか、なにに期待していたのかとかんがえるととても興味深い(笑)。「チンポ比べ」で調べてみて知りたいことってなんなんだろうか。
ちなみに
チンポ比べ の検索結果 約 1,410 件中 1 - 32 件目 (0.86 秒)
である。そのトップにこのブログはきている。
二番目についてだが、「クライネ=レヴィン症候群」自体の検索結果が7件しかない。ちなみにグーグルだと17件ヒットする。いずれも医学的な専門ページばかりが並ぶなか、わざわざブログを(しかも「この」ブログを)選んでご覧いただいたということは、想像するに患者の体験談や闘病記録などを期待してのことだろう。この方のご期待は無残にも外れてしまったようだ。申し訳ないことである。いや、本気でわるいとなんかおもってませんが(笑)。
それにしてもこの症候群に関する記述がリソースとしてあまりにも少ないというのが、おれにはちょっとした驚きである。そんなに数少ないなかからわざわざお選びいただいたというのに……。
三番目だが、「(コンサルテーション)リエゾン精神医学」自体は、「クライネ=レヴィン症候群」とは打って変わって夥しい数のページがウェブ上に存在する。グーグルの検索結果ではコンサルテーション・リエゾン精神医学 の検索結果 約 1,400 件中 1 - 10 件目 (0.32 秒) である。
にもかかわらず、なぜわざわざgooブログで検索するのか。いささか疑問の残る点である。
「顔面神経麻痺」も同様にリソースはとても多い。この疾病で苦しんでいらっしゃる方が多いことはいくらなんでもおれだって知っている。はてなダイアリーキーワードとしてはこの語は登録されていないものの、検索すると「ユニークフェイス」というキーワードがヒットし、その説明のなかには顔面神経麻痺が挙げられている。
最後の「ジャック・アタリ ノイズ」であるが、これがなかなかリンク元として数が多いのである。ノイズに興味があり、彼の名前を知っていたり著作を読んだことがあったりすれば、純粋な知的関心として検索してみることも十分あり得るだろう。しかし、このブログにきてもたいしたことは書いていない。またまたご期待に添えず申し訳ないかぎりである。
半分嘘。


こうして見てみると、たとえブログの更新を怠っていても滞ったままにしていても、書き残したものはリソースとして十分に機能していることがわかる。「自分のマシンのハードディスク以外に殴り書きするスペースが欲しくなった」という理由でブログをはじめたおれであるが、書かれたブログの利用法にはいくばくかの感銘を受けざるを得ない。
4分の1ぐらい嘘。
しかもこれらは1月4日分のブログについてのリンク元なのである。以後数日更新をサボっていたが諸般の事情によってできない状態にあったが、たまには編集画面を覗いていた。すると連日のように、こうしたおもしろいリンク元が追加されているのだ。なんとも奇妙にして愉快なことである。
ブログが今日ウェブにおいて有益な情報を得るための貴重なリソースになりつつあることは認めよう。だがまだ成熟の域には達していないとおもわれる。はてなダイアリーキーワードの着想のもとにあるのは言うまでもなくWikiである。はてなスタッフが意識していたそうだというのだからそうなのだろう。「キーワードでつながる面白ブログ」という惹句ははてなダイアリーのコンセプトの根幹をうまく表したものだとおもうし、なにせおれ自身がキーワード機能がおもしろいからという理由で数多あるブログサイトのなかからはてなを選んだ。
しかし「キーワードでつながる」というコンセプトが「誤用」されている現状は否めない。わざわざ引くまでもないが、あらためてはてなダイアリーキーワードの「Weblog」の説明を引用しよう。

Weblogとは、インターネット上に個人が公開する日記の一種で、プライベートな内容を記すことよりも、むしろ話題となっているインターネット上のニュースを引用し、コメントや批評を加えたり、新しい視点を提供するといった方向性を持っているコンテンツの総称である。Weblogではニュースサイトへのリンクを気軽にはることができるため、時に誰も目に留めなかったニュースに世間の注意を引きつける役割を果たすこともあり、インターネットジャーナリズムの新しい潮流として注目されている。

いや、プライベートな内容であったって構わないのである(自己弁護ではない(笑))。
問題は、何度も述べていることだが、ブログが掲示板の代用にすぎない利用にとどまっていることなのだ。
だれかが話題となっているニュースについてブログにおいて言及すると、それはニュースに含まれる語をキーワードとして、あるいはニュースソース自体が注目URLとなって、ブロガー(というよりはこの場合はてなダイアリーユーザ)に共有される。おれのようにプライベートな内容のブログを書きまくっている者のページにだって注目URLは一応表示される。それをクリックして表示される日記一覧から、いろいろな人々のブログを次々と読みあさってみる。
しかしそこで見られる「ニュースへのコメントのようなもの」と、2ちゃんねるのニューススレッドの1行レスとに、いったいどれほどの差があるというのか。
いまのところブログは、掲示板(もちろんここでは2ちゃんねるのことである)で直接意見交換をしたくない者にとっての、ぬるいコミュニティとなっているとしか言い様がない。おれは別に、殺伐とした雰囲気のなかで、ときに相手を罵倒し自説を強引に展開することがよしとは言っていない。むしろ嫌いである。穏やかに議論を戦わせることを望む。ただ、ブロガーの多くが「マターリ」を求めて2ちゃんねるを飛び出したいわゆる「難民」であるとしたら、そして適度な馴れ合いの場としてブログサイトがあるのだとしたら、いつまで経ってもブログは固有の文化をなしえないだろう。


ブログサイトがWikiにもとづいたコンテンツサーバとして真価を発揮するには、たとえばはてなダイアリーの場合ならキーワード機能の強化・修正・改変のみならず、SEOの問題もあるのではなかろうか。はてなダイアリーにあるブログはおしなべて検索エンジンの上位に表示されているようになっているような気もするのでこの辺についてはかなりの成果を収めているように見受けられるが、実際のところはよくわからない(わかってないのによく書くよ)。
だが、いくら検索エンジンの上位にはてなのブログがきていようとも、そのコンテンツが良質で魅力がなければ、むしろインターネットユーザにとっては有害なものになってしまうのだ。
どんな情報を発信し、質の高いリソースをウェブ上に提供するか。すべてはブロガーの意識にかかっているのである。


と、殴り書きする輩が長広舌をふるってみました。へへへ。