おれには「修行」が求められているようである。

気づいたら8時前だった。おれの仕事部屋は陽当たりがよいほうなので空の白み具合もよくわかるのだが、集中していると時間などすぐ忘れがちである。そしてペース配分を誤ったりして納期に遅れ、おもいっきり落としたりする。
わけがない。おれ、落としたことがあるのって単著だけだもん。
一番ダメじゃん(笑)。笑ってる場合じゃないのだが笑っておく。
そんなことはさておき、朝っぱらから酔っ払いの友だちにメール。ちょっと訳ありの日なので。
その後は延々と自分の分家サイトの更新と、それにともなう仕事をとにかくやり続ける。たんにものを書くよりも何倍もタフな仕事である。なぜなら

からだ。
途中11時半ごろ食事をとったが、ほとんど休みもせず続ける。
14時21分づけで相方からメールがきた。おお!
「すみません、特に怒ってはいませんよ。あと電話に出れないのはたまさかの話です。今からご飯を食べに行くので、今日の夜にでも電話します。ではでは後ほど。」
のっけから「すみません」などと、なんでこいつが謝っているのか。それはこいつの性格による。明らかに自分が優位な立場にあるとき、居丈高に振る舞うと相手がなにも言えなくなるからである。「言わなくなる」というほうが的確か。そしていざ実際に話をするという段になると、相手にじっくりと「言い訳」をさせて、そのうえで辛辣な皮肉交じりの猛烈な説諭をくどくどと展開するのだ。そのときの態度は、先刻とは打って変わって傲岸きわまりない。
わかりやすく換言すれば、最も敵にしたくない類の人物なのである(笑)。もう慣れたがよくもまあ懲りずにつきあっているものだ。おたがいに。
恐怖におののきながら(半分嘘)仕事を続けていたら15時20分ごろに相方から電話。夜って言ってたのに早いじゃねえかよっ!
とにかく謝って事情を説明する。おれも長年の経験から、こういう場合のあいつへの対処方はそれなりに心得ているつもりだ。結果、説諭を受けるわけでもなく罵倒されるわけでもなく、穏便に話を進めことなきを得た。
が、おれの本家サイトの掲示板におもいっきり嫌味を書き込まれた(笑)。まあ仕方ないわね。そのくらいの罰は受けますよ。はあ。
かくして小一時間ほどの電話は終わった。どっと疲れた。仕事など打ち切って(まあ電話のあとちょっとは続けてある程度すませたのだが)寝る。


0時40分ごろ起きる。結構すっきりかも。何時間寝たよ?
起きるなり、限りなくスパムに近い仕事がらみのメール(そういうのってあるのよ)を処理。なんだかなあ。
軽食をとって、気分転換にマル・ウォルドロンの「フリー・アット・ラスト」

フリー・アット・ラスト

フリー・アット・ラスト

を聴いてぼけっとする。ECMの1枚目だ。内容の素晴らしさは言わずもがな、これを世に出したアイヒャーももちろん称賛に値することは論をまたない。
すっきりしたところで「トレーニング」へ。イスラ・エッキンガーのベースも秀逸だが、きょうはきのうの復習をやることにした。いつものように準備を整えて開始。左右の指のバランスをとることに留意しながら弾いた。
ううむ。音の粒がいまいちそろってないな。コンプレッサーをとおしてこれなら、やや憂慮すべき事態である。「おれ流サーキットトレーニング」では問題ないのだから、練習曲が難易度の高いものだということか? そんなわけがない。以前は弾けてたんだから。スラップだらけで構成された速いパッセージがちゃんと弾けるということは左でしっかりと押さえられているということになる。じゃあボトルネックとなっているのは右かよ。いや、ツーフィンガー自体がそろっていないのではなくて、やはり左とのかねあい――つまりバランスだろう。
どうやら回復への過程における最も大きな試練に直面したようである。


表題はid:mackerel_can:20041222への自己言及。